敷かれたレールはない

私は個人的には堀江貴文という人があまり好きではありません。
しかし、友人に勧められて彼の近畿大学の卒業式でのスピーチを見たとき
嫌いだけれど、この人はやはりすごい人であると感じました。


若い人にこれからの時代の生き方を、彼ほど端的に余すところなく伝えられる人物は
いないでしょう。
子供の教育に悩む親御さんにもぜひ一度聞いて頂きたいと思います。

 

スピーチの中で、彼は敷かれたレールの上を歩いていけば良い時代は終わった
日本が豊かだった時代は終わったと言っています。

 

人は、自分の認めたくない事、見たくない事、気づきたくない事は
見えないように、気づかないように目をそらしてしまいがちです。

 

しかし今や、アジアの中だけでも韓国や中国に技術で差をつけられ、
日本に経済大国としてのかつての勢いはありません。
大手企業が倒産あるいは外資系企業に買収され、リストラや失業も珍しいことではなくなりました。

 

私が子供の頃、海外の教科書でホームレスのいない国として紹介されていたのに、
都内ではホームレス村ができ、おゆみ野の中でさえそういった人を見かけるようになりました。
子供の貧困率は先進国の中で最悪の水準です。生活保護を受けることが出来ずに餓死する人さえいます。

 

堀江氏のいう通り、日本は豊かな国ではないし、敷かれたレールはもはやないのです。
新入社員として入社した企業に骨を埋めることが出来る人は、ごく一部になるでしょう。
公務員でさえ、終身雇用は無くなっていくでしょう。
安定や安泰は過去の話になりつつあるのです。

 

時代は急速に地球を小さくし、競争を激化させています。
今まで高度な教育や知識や技術が届かなかった場所にも、インターネットやSNSによって
それらがもたらされ、その結果、優秀な人材が続々と創出されています。
彼らは、甘えられる環境にない分、自分で考え行動する力をもっています。
常識や既存の知識に甘んじている私達では及ばない創造力を持っています。
新しい価値観が世界で毎日のように作られていくのです。

 

そして、情報は日本語で発信されるより先に英語で発信されます。
世界の人と互角に渡り合うには、英語を主とした語学、PCは基本スペックです。
日本語に翻訳されるのを待っていては、取り残されてしまいます。
語学力、PCスキルが無ければ、同じ土俵に立つことも出来ません。

 

堀江氏は若い彼らに言います。
できるだけ多くの情報を手に入れなさい。そして自分の頭で整理して考えなさいと
私達親世代にも同じことが言えると思います。子育ても同じだと思います。

 

できるだけ多くの情報を集めましょう。日本だけでなく海外の教育で何が行われているのか
何を学ばせているのか、どうやって学ばせているのか・・・
自分や自分の周りの価値観で判断するのはやめましょう。

親世代の常識は、もはや子供の世代では通用しません。
私達はそれで生きてこられたかもしれませんが、子供はそれでは生きていけません。

 

事実、それに気付いている親御さんから教育の方法、習わせるコンテンツが変わってきています。

英検で1級をもっているより、実際に英語を自在に操れる人の方が強いのです。
英文を翻訳できるより、自らの考えを文章にし、自分の言葉で話せる人が求められるのです。
翻訳機は翻訳機でしかありません。それでは互角に渡り合えないのです。

頭が良くても、コミュニケーション能力が低ければ能力を活かすことはできません。
論理的に考え、自ら行動できなければ必要とされないのです。
出された問題を解けるだけではどこにも通用しないのです。

 

スピーチの最後を彼は「今を一生懸命生きろ」と結んでいます。

 

私達親も今を一生懸命生きましょう。子育てに一生懸命向き合いましょう。
5年先は誰にもわかりません。
でもあの時はそれがベストの選択だったと胸を張って言えるよう
一生懸命情報を集め、自分たちで考えていきましょう。

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